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忘れ物して何が悪い

忘れ物をして何が悪いと思っている。

僕の母親はとても神経質で(もしかしたら過保護なだけだったのかもしれない)いつも僕の持ち物を確認してくる。

お財布は持ったか。

チケットはあるか。

明日の時間は調べたのか。

もう、あきあきしてくる。何度同じことを聞いてくるんだろう。そう簡単に財布を忘れるもんですかとゲンナリする。

 

僕は財布を無くした。ブリュッセルのエアポートに。キャッシュカード、運転免許証、保険証、学生証、モンベルの会員カードなど、見てわかるようにないとずいぶん困る重要なカード類をいきなり失ってしまったのだ。

これは意外なことかもしれないが、僕はいたって冷静だった。ベルギーの空港に財布を置いてきたことを、乗り継ぎ地のバンコクで気がついたのだが、僕はそんなことよりも果てしない空腹を満たすことのほうが重要だった。

僕は財布を無くしたことに気づいた直後に博多ラーメンを扱う飲食店を見つけて感激し、真っ先に豚骨ラーメンを食べたのだ。(馴染みのある豚骨スープに加えて、バンコク特有の謎の甘みを感じた。味玉にいたっては謎の甘い何かにしっかりと付け込まれていた。もしかしたら彼らは醤油という存在を知らないのかもしれない。え、豆から調味料が作れるの、ワーオなんて言うかもしれない。そんな豚骨ラーメンを僕はサーブされたのだ。)